After Effectsのレンダリングのやり方をお探しですね。

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After Effectsの書き出しが遅い原因と、マルチフレームレンダリングで高速化する方法

After Effects(AE)で書き出しやレンダリングに時間がかかると、実際に作業している時間より待っている時間のほうが長く感じてしまいますよね。

特に4K素材や重いエフェクト、長い動画、複雑なモーショングラフィックスを扱っていると、数分の動画を書き出すだけで何十分、ひどいときには何時間もかかってしまうことも。

この記事では、AEの書き出しが遅くなる原因を整理しつつ、マルチフレームレンダリングを中心に、実際に速度アップにつながりやすい設定と使い方のコツを紹介していきます。

After Effectsの書き出しが遅い・重くなる主な原因

After Effectsのレンダリングが遅くなるのは、単に「パソコンの性能が低いから」だけが理由ではありません。

もちろんCPU、メモリ、GPU、ストレージの性能は大事なんですが、コンポジションの作り方やエフェクトの種類、キャッシュの設定、書き出す形式によっても速度は大きく変わってくるんです。

たとえば、ブラーやグロー、ノイズ除去、3Dレイヤー、モーションブラー、被写界深度といったエフェクトは計算量が多くて、見た目以上にレンダリング時間を食います。

また、素材が外付けHDDやネットワークドライブに置いてあると、読み込み速度が遅くてボトルネックになり、CPUに余裕があっても処理がなかなか進まない…なんてことも起こります。

特に初心者の方が見落としがちなのが、「プレビューで重いものは書き出しでも重い」という点です。

プレビュー再生がカクカクするコンポジションは、AEが毎フレームの計算に時間をかけている状態なので、書き出すときも同じように時間がかかります。

さらに、H.264みたいに圧縮率が高い形式で直接書き出そうとすると、映像を計算した後に圧縮処理も行うため、環境によってはもっと時間がかかることも。

レンダリングを速くするには、まず「何が重いのか」を切り分けることが大切です。

重いエフェクトなのか、素材の解像度なのか、ストレージなのか、出力形式なのか。

原因が分かれば、効果的な対策を選びやすくなります。

マルチフレームレンダリングを有効にしてAEの処理速度を上げる

After Effectsを速くしたいなら、まず確認したいのが「マルチフレームレンダリング」です。

これは、複数のCPUコアを使って複数のフレームを同時に処理する機能のこと。

従来のように1フレームずつ順番に処理するより、対応している環境なら大幅に時間を短縮できます。

設定方法は簡単で、After Effectsの「環境設定」から「メモリとパフォーマンス」を開いて、「マルチフレームレンダリング」にチェックを入れるだけ。

ついでに、他のアプリ用に残しておくRAMの量も確認しておくと、動作が安定しやすくなります。

ただし、マルチフレームレンダリングは万能ではありません。

使っているエフェクトやプラグイン、エクスプレッション、素材の形式によっては、思ったほど速くならないこともあります。

また、CPUのコア数が多くてもメモリが足りないと、複数フレームを同時に処理する余裕がなくなって、かえって不安定になることも。

目安としては、フルHDメインなら16GB以上、4Kや重めのコンポジションを扱うなら32GB以上、複雑な案件なら64GB以上あると安心です。

マルチフレームレンダリングを有効にした後も、タスクマネージャー(Windowsの場合)やアクティビティモニタ(Macの場合)でCPU、メモリ、ディスクの使用状況をチェックして、どこが詰まっているのか確認することが大事です。

設定を見直すときは、以下のポイントを優先的にチェックすると効率的です。

– 「環境設定」でマルチフレームレンダリングがオンになっているか
– AEに割り当てるメモリが少なすぎないか
– ディスクキャッシュの保存先が高速なSSDになっているか
– 古いプラグインや未対応エフェクトが足を引っ張っていないか
– バックグラウンドで重いアプリが動いていないか

これらを整えるだけでも、同じプロジェクトの書き出し時間が体感的に短くなることがあります。

キャッシュ・プレビュー・コンポジション設定を見直して軽くする

AEのレンダリングをもっと速くしたいなら、キャッシュ設定の見直しはかなり重要です。

ディスクキャッシュというのは、一度計算したフレーム情報をストレージに保存して、再計算を減らすための仕組み。

キャッシュの保存先が遅いHDDだったり、空き容量が少なかったりすると、AEは必要なデータをうまく保存できず、何度も同じ処理を繰り返すことになってしまいます。

できればOSや素材とは別の高速SSDをキャッシュ用に設定して、十分な空き容量を確保しておくと安定します。

環境設定の「メディア&ディスクキャッシュ」から保存先と最大容量を確認して、不要なキャッシュが溜まっている場合は削除して整理しましょう。

コンポジション自体を軽くする工夫も、書き出し時間の短縮に直結します。

作業中はフル解像度じゃなくて、1/2や1/4解像度でプレビューして、最終確認のときだけフル画質に戻すと効率的。

また、常に表示する必要のないレイヤーは非表示にしたり、プリコンポーズを使って構造を整理したりすると、重い箇所が把握しやすくなります。

特に、モーションブラー、3Dレイヤー、シャドウ、ライト、カメラの被写界深度は負荷が高いので、作業中は一時的にオフにしておいて、最終書き出し前に有効化する使い方が現実的です。

見た目にあまり影響しないエフェクトの品質を下げたり、不要なエクスプレッションを整理したりといった小さな改善も、積み重なると大きな差になります。

重いコンポジションでは、プロキシやプリレンダーも有効です。

プロキシは高解像度素材の代わりに軽い一時素材を使う方法で、編集やアニメーション確認を軽くできます。

プリレンダーは、完成した一部のコンポジションをいったん動画として書き出して、それを素材として読み込む方法。

たとえば、複雑な背景アニメーションや大量のパーティクルを毎回計算させるんじゃなくて、先に中間ファイル化しておくと、最終レンダリング時の負荷を減らせます。

ただし、修正が入ると再書き出しが必要になるので、変更が固まったパーツから使うのがおすすめです。

書き出し形式・ハードウェア・運用でさらにレンダリングを高速化する

書き出し形式の選び方も、After Effectsのレンダリング速度に大きく関わってきます。

最終的にMP4で納品する場合でも、AEからいきなりH.264で書き出すより、まずはApple ProResやDNxHR、GoPro CineFormといった中間コーデックで書き出して、その後Media Encoderや別のエンコードソフトでMP4に変換したほうが安定することがあります。

中間コーデックはファイルサイズが大きくなりやすいんですが、圧縮処理の負荷が比較的軽くて、修正や再エンコードにも向いています。

長い動画や重い案件では、AEで映像計算、Media Encoderで最終圧縮というふうに役割を分けると、トラブルの原因も切り分けやすくなります。

ハードウェア面では、CPU、メモリ、SSDの優先度が高いです。

After Effectsは多くの処理でCPU性能の影響を受けるので、コア数とシングルコア性能のバランスが重要。

マルチフレームレンダリングを活かすにはメモリ容量も必要で、メモリが足りないと高速なCPUを積んでいても十分に性能を発揮できません。

GPUは一部のエフェクトや3D関連処理、プレビュー支援には効果がありますが、すべての処理がGPUで劇的に速くなるわけではありません。

なので、AE用の環境を整えるなら、まず高速なCPU、十分なメモリ、NVMe SSDを優先して、そのうえでGPUを検討すると無駄が少なくなります。

実際の仕事では、設定だけじゃなくて運用ルールを決めることも大事です。

作業素材、キャッシュ、書き出し先を同じ遅いドライブに集中させると、読み書きが詰まりやすくなります。

素材は高速SSD、キャッシュは別のSSD、書き出し先も空き容量に余裕のあるドライブに分けると、安定性が上がります。

また、書き出し前には不要なアプリを終了して、ブラウザの大量タブ、クラウド同期、ウイルススキャン、録画ソフトなんかの負荷を減らしておきましょう。

ドライバーやAfter Effects本体のアップデートも大切ですが、仕事中の大型アップデートは不具合の可能性もあるので、締切直前じゃなくて検証できるタイミングで行うのが安全です。

最後に、AEのレンダリング高速化は「ひとつの設定で一気に解決する」というより、複数のボトルネックを順番につぶしていく作業です。

マルチフレームレンダリングを有効にして、メモリとキャッシュを整えて、重いエフェクトやコンポジションを整理して、適切な形式で書き出す。

これらを組み合わせることで、待ち時間は大きく減らせます。

特に、毎回似たような案件を制作する人は、自分の環境で速い設定をテンプレート化しておくと効果的。

レンダリングが遅いと感じたら、まずは設定、次にコンポジション、最後にハードウェアの順で見直すと、無駄な買い替えを避けながら効率よく改善できます。

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